水のコラム
トイレの逆流はなぜ起こる?原因別対処法と予防法を解説
便器やタンクだけでなく、その周りにも被害を及ぼすのが、トイレの逆流です。逆流はさまざまな原因により引き起こされる故障で、修理方法もそれぞれ異なります。
そこで、トイレの逆流が起こる原因と、原因ごとの修理方法をまとめました。
トイレの逆流が起こる原因
トイレの逆流が起こる原因は複数あります。
便器や排水口の詰まり
便器や排水口、その奥にある配管が詰まり、悪化すると汚水が逆流することがあります。詰まりの原因は複数あります。
・トイレットペーパーをはじめとした水溶性の紙
・排せつ物
・おもちゃやペット用のトイレ砂などの異物
水溶性の紙や排せつ物は、本来便器に流すべきもののため、家庭でもできる修理で対応できます。しかし、おもちゃなどの異物は、業者の力を借りなくてはなりません。
汚水桝やポンプの故障
汚水桝の中がいっぱいになっている場合、汚水が逆流することがあります。雨水やメンテナンス不足で汚水桝の中に許容量異常の水が注がれると、逆流が起こります。
汚水桝に異常がなくても、地下から汚水を吸い上げるポンプが壊れていると、逆流することもあるため、注意が必要です。汚水ポンプは機械のため、寿命が来ると故障します。
大体7~12年前後が目安です。時期が近づいたら、点検やメンテナンスを検討しましょう。
災害による土砂や雨水
災害により下水道に大量の土砂や雨水が流れ込むと、家庭用の配管まで逆流することがあります。大雨や台風などの事故が予想されるときは、事前に逆流を防ぐ対策が必要です。
逆流の危険性がある時期や災害が近づいていると、天気予報や自治体が警告を出すことがあります。これらの警告を活用して事態に備えてください。
災害による逆流は、災害発生時だけではなく、その後も発生する可能性があります。災害の後は、自宅の排水設備を使わないようにしましょう。自治体が用意してくれる簡易トイレなどを活用してください。
逆流が起きたときの応急処置
逆流してしまったときは、まず落ち着いてこれから解説する方法を取りましょう。
汚水のあふれを防止する
まず、汚水があふれないように便器の中から汚水を汲み取りましょう。手動ポンプやバケツで吸い出します。また、便器の中身があふれないようにするために、止水栓を閉めて給水されない状態を作ります。
ウォシュレットをつけているなら、電源を切りましょう。感電の恐れがあるため、コンセントを抜くときは、ゴム手袋をつけた状態で行ってください。
汚水が漏れているなら掃除と除菌
汚水がすでにあふれ出しているなら、掃除と除菌を行います。水の量が多ければ、新聞紙やキッチンペーパーに給水させましょう。汚水を吸いきった紙類は二重にした袋の中に入れ、後で捨てます。軽度の水漏れなら雑巾やタオルで対応できます。
ふき取り掃除中は、換気も行いましょう。また、汚水は雑菌にあふれており、非常に不衛生です。ハイターを薄めた水で、室内とその設備を除菌してください。
詰まりが原因の場合の対処法
逆流が起きた後の修理は、業者に任せた方がよい場合が多いです。しかし、詰まりによる逆流は、家庭でも対応できる方法があります。ここではその中でも詰まりを取る効果の高いラバーカップの使い方を解説します。
用意する道具
まずは以下の道具をご用意ください。
・マイナスドライバー
・ビニールシート
・手動ポンプ
・バケツ
・ラバーカップ
マイナスドライバーは、止水栓を閉めるのに使います。ビニールシートは、便器とその周りを養生するためのものです。手動ポンプとバケツは水位の調節に使います。
ラバーカップは便器の形状により、使える製品が異なります。購入の際は使用する便器の形状に合わせたものを選んでください。
止水栓を閉め便器とその周りを養生する
ラバーカップは詰まりが取れたときに、汚水が噴き出ることがあります。詰まりを取る前に、思わぬ水漏れによる被害を防ぐための作業を行いましょう。
まずは止水栓を閉めます。マイナスドライバーを栓の溝に差し込み、半時計回しに回してください。このとき、何回回して閉めたかを把握しておきましょう。あとで栓を開けるときに必要です。
止水栓を閉めたら、ビニールシートで便器とその周辺を養生しましょう。便器の穴を覆うように便器の穴に巻き、排水口の部分に穴を開けます。また、便器とその近くの床や壁も覆ってください。
ポンプとバケツで中の水量を調節する
下準備が終わったら、次は水位の調節をします。手動ポンプを使い、便器の中の水をバケツへ吸い出します。排水口周辺の水位が、ラバーカップのカップ部分を覆うほどの高さになるまで行います。
吸い出した水は、異常が改善されたら戻しましょう。水位の調節が終わったら、次の段階に進みます。
ラバーカップを使う
ラバーカップを排水口に合わせ、グッと押し込み、その後力を込めて引き抜いてください。これを詰まりが取れるまで繰り返します。詰まりが取れたら、修理作業は終了です。
ラバーカップは、引き抜くときの力で中の物を引き上げます。使うときは、引くときに力を込めながら使いましょう。
止水栓を開け異常が改善されたか確認する
詰まりの元が取れたら、止水栓を開けて故障が改善されたか確認しましょう。トイレのレバーを押して、水を流してください。正常に流れたら、くみ上げた汚水をトイレに捨てます。その後、養生を外しましょう。
汚水を取り扱ったポンプ・バケツ・ラバーカップは、そのまましまうと悪臭やコバエの原因になります。必ず水洗いして道具に汚れが残らないようにしましょう。
汚水桝や排水ポンプの故障は業者に修理を依頼する
汚水桝やポンプの故障は、家庭では修理できません。異常が発生したら、すぐに業者を呼んで修理してもらいましょう。放置すると配管の故障など、新たなトラブルを招く原因になります。
また、異物を詰まらせたときの修理も、業者に依頼してください。異物による詰まりは、便器や配管を分解しないと取り除けません。
災害による逆流を予防する方法
台風や大雨による逆流が予想されるときやその後は、配管の逆流が起こる危険があります。トラブルによる被害を防ぐには、予防策が必要です。災害前やその後にできる逆流予防策を解説します。
災害の後に大量の水を流さない
大雨や台風の後は、下水管に大量の水が流れ込みます。その状態で大量の水を流すと、逆流を誘発させてしまう可能性があるのです。トイレを流したときに「ゴポゴポ」などの音が聞こえてくる場合は、逆流が発生し始めているサインです。
このようなときは、浴槽に張ったお湯を流す・洗濯機を使うなどの、大量の水を排水する作業は避けましょう。安全のため、トイレも使用しないようにしてください。
災害遭遇前に水のうを入れておく
予防策は、災害前にもできます。二重にしたビニール袋の中に水を入れた水のうをトイレの中に入れましょう。袋の中にその全体の半分くらいまで水を入れます。その後、空気を抜きながら口を縛ってください。
水のうは、排水口を埋めるようにして配置します。水のうは、トイレだけでなく、お風呂場・洗面所・キッチンシンクにも使える方法です。大雨や台風の心配があるときは、水周りの設備に水のうを置きましょう。
まとめ
トイレの逆流はさまざまな原因で引き起こされます。思わぬトラブルに遭遇したときは、落ち着いて原因をきちんと調べ、見極めましょう。そのうえで、正しい対処をしてください。家庭での修理が難しい場合は、業者の力を借りましょう。
山口のトイレのつまり・水漏れは、水道修理の専門店「やまぐち水道職人(山口水道職人)」