水のコラム
井戸ポンプの水が上がらない原因は?対処法を解説

井戸ポンプを使用していて、蛇口を開けても水が出ない、ポンプは動いているのに水を汲み上げないといった症状が起きることがあります。原因は電源や呼び水の不足だけでなく、吸込管からの空気混入、ストレーナーのつまり、地下水位の低下、凍結、ポンプ本体の不具合など多岐にわたります。原因によっては自身で確認できる項目もありますが、誤った作業を続けるとポンプや配管を傷めるおそれもあるでしょう。
この記事では、井戸ポンプの水が上がらない主な原因、自身で確認できる対処法、注意点、水道修理業者へ相談したいケース、交換を検討する目安について紹介します。
井戸ポンプの水が上がらない主な原因
井戸ポンプの水が上がらない時は、電気が供給されていないケースから、井戸側の水位やポンプ内部の不具合まで幅広い原因が疑われます。なお、ポンプがまったく動かないのか、運転音はするものの水が出ないのかによっても確認箇所が異なります。
まず、電源やバルブなど外から確認できる部分を見て、異常がなければ呼び水、吸込管、ストレーナー、地下水位などを順に確認してみてください。
ただし、無理な分解は避け、自身の判断だけで作業を続けないことが欠かせません。また、症状を確認する際は、蛇口を開けた時にモーターが始動するか、運転ランプやエラー表示に変化があるかもできるだけ見ておくことが肝心です。いつから症状が始まったか、寒波や長期不使用の直後かといった状況も整理すると、原因を切り分ける材料になります。
電源が入っていない
電動の井戸ポンプは、電源が入っていなければ運転しません。コンセントが抜けている、ブレーカーが落ちている、電源スイッチが切れているなど、比較的単純な原因で水が出なくなる場合があります。停電後に運転が再開していないケースも考えられます。
ポンプが動かず運転音もしない場合は、まず電源を確認してみてください。ただし、ブレーカーを戻してもすぐに落ちる場合や、電源コードに損傷が見られる場合は、繰り返し通電せず点検を依頼することが無難です。
呼び水が不足している
浅井戸用などの自吸式ポンプでは、ポンプ内部を水で満たしてから運転するために呼び水が必要です。なお、呼び水が不足してポンプ内部に空気が残っていると、モーターが動いていても正常に吸い上げられない場合があります。
そのため、長期間使用しなかった後や、吸込側の水が落ちた後に水が上がらない場合は、呼び水の状態を確認してみてください。それでも改善しない場合は、吸込管から空気が入っている、逆止弁に不具合があるなど、別の原因を疑いましょう。
吸込管から空気が入っている
吸込管の接続部に緩みやひびがあると、ポンプが水と一緒に空気を吸い込み、十分な吸引力を保てなくなることがあります。
呼び水をして一度は水が出ても、時間を置くと再び水が上がらなくなる場合は、吸込側からの空気混入や落水も疑われます。そのため、見える範囲で配管の接続部や水漏れ跡を確認してみてください。
ただし、地中の配管や井戸内部の接続部分は自身で確認しにくいため、原因を特定できない場合は水道修理業者へ点検を依頼しましょう。
ストレーナーが詰まっている
井戸ポンプには、砂や異物を吸い込むのを抑えるため、井戸側にストレーナーが設けられている場合があります。なお、長期間使用すると砂や泥などが付着し、水を通す部分が塞がれて揚水量が低下することがあります。もし、以前より水量が少なくなり、徐々に水が出にくくなった場合は、ストレーナーのつまりも原因の一つです。
ただし、ストレーナーは井戸内など簡単に手が届かない場所にあるケースが多いため、自身で無理に除去しないようにしましょう。
地下水位が下がっている
井戸の地下水位は常に一定とは限らず、降水量や季節、周辺環境などの影響を受けて変化します。
そのため、ポンプが水を吸い上げられる範囲より水位が低くなると、ポンプ本体に問題がなくても水が上がらなかったり、水量が少なくなったりする場合があります。もし、特定の時期だけ水が出にくい、以前より吸い上げに時間がかかるといった変化がある場合は、井戸の水位低下も考えてみてください。
ただし、水位や井戸の深さを正確に確認するには専門的な点検が必要になるため、水道修理業者などへ相談するとよいでしょう。なお、近隣で井戸工事や大規模な掘削が行われた後など、周囲の環境変化が水位や砂の流入に影響する場合もあります。水位低下が疑われる時は、ポンプを長時間運転して無理に汲み上げようとせず、井戸の状態を確認することがポイントです。
ポンプや配管が凍結している
気温が大きく下がる時期は、ポンプ内部や屋外の配管に残った水が凍結し、水が流れなくなることがあります。特に、保温材が劣化していたり、風が当たりやすい場所に配管が露出していたりすると、凍結の影響を受けやすくなります。
もし、凍結が疑われる場合は無理にポンプを運転せず、気温の上昇によって自然に解けるのを待ってください。なお、解凍後は、凍結によってポンプや配管にひびが生じていないか、水漏れが起きていないかも確認することが肝心です。凍結を繰り返す場所では、解凍後に保温材が外れていないか、破れていないかも見ておくと予防につながります。
また、長期間使用しない設備は、取扱説明書に水抜き方法が記載されている場合があるため、寒くなる前に確認しましょう。
ポンプ本体が故障している
電源や呼び水、地下水位などに問題が見当たらない場合は、ポンプ本体の不具合も疑われます。
特に、モーター、インペラ、圧力センサー、逆止弁などに異常が生じると、運転しない、水を吸い上げない、圧力が上がらないといった症状につながります。なお、内部部品の状態は外から判断しにくく、分解には感電や破損の危険があるため、注意しましょう。
運転ランプや故障表示がある機種では取扱説明書で内容を確認し、自身で対応できない表示や症状がある場合は点検を依頼してください。
井戸ポンプの水が上がらない時の対処法
井戸ポンプから水が出ない時は、原因を決めつけて分解するのではなく、安全に確認できる項目から順番に見ていきます。電源やバルブの状態、呼び水、凍結の有無などは、自身でも確認できる場合があります。
ただし、井戸ポンプは電気と水を扱う設備です。取扱説明書に利用者向けの操作として記載されていない分解や配線作業は避けましょう。
電源の状態を確認する
最初にコンセントや電源スイッチ、分電盤のブレーカーを確認します。ポンプ本体に運転ランプや表示部がある場合は、点灯状態やエラー表示も見てください。なお、取扱説明書に表示内容が記載されていれば、該当する対処方法を確認します。また、ブレーカーが落ちていた場合でも、原因が分からないまま何度も入れ直さないでください。
再びすぐに落ちる、焦げたニオイがする、コードが破損しているといった異常がある場合は、電源を切った状態で点検を依頼しましょう。
バルブが開いているか確認する
ポンプや配管に設けられたバルブが閉まっている、または十分に開いていない場合は、水の通り道が塞がれて正常に給水できないことがあります。もし、点検や工事の後から水が出なくなった場合は、操作したバルブが元の状態へ戻っているか確認してみてください。
ただし、バルブの位置や通常時の開閉状態は設備によって異なります。名称や役割が分からないバルブをむやみに操作せず、取扱説明書や施工時の資料で確認しましょう。なお、固着して動かない場合も、工具で無理に回さない方が無難です。
取扱説明書に沿って呼び水をする
自吸式ポンプで呼び水不足が考えられる場合は、必ず使用中の機種の取扱説明書を確認してから作業します。一般的な手順では、電源を切って呼び水口を開け、ポンプ内部が満水になるまで水を入れます。その後、プラグを確実に閉めてから運転を確認してください。
ただし、呼び水口の位置や必要な操作は製品によって異なります。電源を入れたまま呼び水を行わず、何度試しても水が上がらない場合は空運転を続けない方が無難です。吸込管の空気混入など別の原因が考えられるため、点検を依頼しましょう。
また、呼び水を入れた直後に水が出ない場合でも、機種によって自吸が完了するまで時間を要することがあります。取扱説明書に記載された運転時間や再操作の条件を確認し、その範囲を超えても吸い上げない場合は運転を止めることが肝心です。
凍結箇所が自然に解けるのを待つ
寒い日に突然水が出なくなり、ポンプや屋外配管の凍結が疑われる場合は、運転を止めて自然に解凍するのを待ちます。凍った状態でポンプを動かし続けると、正常に水が流れないまま負担がかかる可能性があります。
なお、解凍後は蛇口を少し開き、水が正常に出るか確認してみてください。同時に、配管や接続部から水漏れしていないかも確認します。
もし、破損が見つかった場合や凍結を繰り返す場合は、保温材の取り替えなどの対策も検討しましょう。
関連記事:気温が急に下がる季節は要注意!水道管凍結を防ぐ対策について解説
井戸ポンプを自身で確認する際の注意点
井戸ポンプは、簡単な確認だけで原因が分かる場合がある一方、電気部品や回転部分を備えているため安全面への配慮が欠かせません。水が出ないからと運転を続けたり、本体を分解したりすると不具合を広げるおそれがあります。
そのため、電源や外観、バルブなど確認できる範囲にとどめ、取扱説明書で利用者による作業が認められていない部分には触れないでください。
空運転を続けない
ポンプ内部に十分な水がない状態で運転を続ける空運転は、ポンプ内部の部品を傷める原因になります。なお、メーカーの取扱説明書でも、呼び水が不足した状態での運転によりメカニカルシールやポンプなどが損傷するおそれがあると注意喚起されています。
そのため、モーターは動いているのに水がまったく出ない場合は、そのまま様子を見るために長時間運転しないでください。一度電源を切り、呼び水や水位、吸込管などを確認し、原因が分からなければ水道修理業者へ相談しましょう。
濡れた手で電気部品に触れない
井戸ポンプは屋外や水の近くに設置されることがありますが、感電やけがにつながるおそれがあるため、電源プラグやスイッチ、制御部などに濡れた手で触らないでください。さらに、周囲が濡れている場合も、安全を確保してから確認する必要があります。
また、カバー内部の配線や端子などは、電源を切っただけで自身が修理できる部分とは限りません。電気系統の異常が疑われる場合は自身で分解しないようにしましょう。
凍結箇所へ熱湯をかけない
凍結した配管やポンプへ熱湯を一気にかけると、急激な温度変化で配管や部品を傷めるおそれがあります。
そのため、凍結時は自然解凍を基本とし、取扱説明書に解凍方法が示されている場合は、その手順を優先してください。なお、早く水を出したい場合でも、火で直接あぶったり高温の水をかけたりしないことが無難です。
また、凍結が解消した後は、水漏れや変形の有無も確認しましょう。
本体や配管を無理に分解しない
ポンプ内部にはモーターやインペラ、センサーなどがあり、機種によって構造や調整方法が異なります。また、配管を不用意に外すと呼び水が抜けたり、水漏れや空気の混入が起きたりする可能性があります。
そのため、取扱説明書で利用者向けに示された点検範囲を超えて、本体や配管を無理に自身で分解しないでください。なお、ネジや部品が固着している場合も強い力を加えず、修理に必要な知識や工具を持つ水道修理業者へ相談しましょう。
業者へ相談したいケース
電源やバルブ、呼び水などを確認しても水が上がらない場合や、異音・水漏れなど別の症状がある場合は、水道修理業者へ相談する必要があります。原因がポンプ内部や井戸の水位、地中の吸込管にあると、自身では確認が難しくなります。
特に、運転を続けることで故障が広がる可能性がある症状では、無理に使用し続けないようにしてください。
呼び水をしても水が上がらない
取扱説明書で停止方法を確認して電源を切り、蛇口の閉め忘れなど外から確認できる項目に問題がなければ点検を依頼しましょう。
なお、目に見える場所に水漏れがなくても、地中配管や井戸側で圧力が逃げている可能性があります。そのため、ポンプが停止しない状態が続く時は、専門業者による点検が必要です。
異音がする
これまで聞こえなかった音や大きな振動音がポンプから発生する場合は、モーターや軸受などの部品に不具合が生じている可能性があります。なお、砂などの異物を吸い込んだことで、正常な回転が妨げられているケースも考えられます。異音が続く状態で運転すると、ほかの部品まで傷むおそれがあるため注意してください。
また、音が発生するタイミングや大きさを確認し、焦げたニオイや発熱なども伴う場合は電源を切って、早めに点検を依頼しましょう。
水漏れが起きている
ポンプ本体や配管の接続部から水漏れしている場合は、パッキンやメカニカルシール、配管などに不具合が生じている可能性があります。なお、凍結後に水漏れが始まった場合は、配管や部品にひびが入っているケースもあり、そのまま運転を続けると、電気部品へ水がかかったりポンプが正常な圧力を保てなくなったりするおそれがあります。
そのため、安全に操作できる場合は電源を切り、水漏れ箇所へ不用意に触れないようにしてください。
ポンプが止まらない
蛇口を閉めて水を使用していないのにポンプが止まらない場合は、配管からの水漏れ、チェック弁や圧力センサーなどの不具合が考えられます。なお、井戸水位の低下や吸込側からの空気混入によって、必要な圧力まで上がらないケースもあります。連続運転を放置するとポンプに負担がかかるため、そのまま使用し続けないでください。
さらに、取扱説明書で停止方法を確認して電源を切り、蛇口の閉め忘れなど外から確認できる項目に問題がなければ点検を依頼しましょう。
また、目に見える場所に水漏れがなくても、地中配管や井戸側で圧力が逃げている可能性があります。そのため、ポンプが停止しない状態が続く時は、専門業者による点検が必要です。
井戸ポンプの交換を検討する目安
井戸ポンプの交換を検討する目安は10年程度です。しかし、井戸ポンプは使用環境や水質などによって劣化の進み方が異なります。また、修理が増えている場合や補修部品が入手できない場合は、本体交換を検討する時期と考えられます。
なお、吸込管や井戸側に問題がある場合は、ポンプを交換しても改善しない可能性があります。そのため、交換前に不具合の原因を特定することが肝心です。
交換する際は、井戸の深さや水位、必要な揚程、使用水量、電源条件などに適した機種を選びましょう。また、補修部品の入手しやすさやメーカーのサポート体制、将来の点検に必要な作業スペースも確認しておくと安心です。
関連記事:井戸ポンプは現役!活用シーンと導入のメリット・デメリット
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井戸ポンプの水が上がらない原因は、呼び水不足や凍結だけでなく、地下水位の低下、吸込管への空気混入、ポンプ本体の不具合など多岐にわたります。もし、電源やバルブなどを確認しても改善しない場合は、無理に自身で運転や分解を続けず、原因を確認することがポイントです。
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井戸ポンプから水が出ない、運転が止まらない、配管から水漏れしているなどの症状でお困りの場合は、当社へご相談ください。原因を確認し、設備の状態に応じた修理や交換についてご説明します。さらに、ポンプの型番や設置年が分かる場合は、相談時にあわせて伝えてみてください。
エラー表示、異音、水が出なくなった時期なども整理しておくと、現地で確認する箇所を絞り込みやすくなります。
※本記事でご紹介している方法は、一般的な対処法の例です。
作業を行う際は、ご自身の状況や設備を確認のうえ、無理のない範囲で行ってください。
記事内容を参考に作業を行った結果生じた不具合やトラブルについては、当社では責任を負いかねます。
少しでも不安がある場合や、作業に自信がない場合は、無理をせず専門業者へ相談することをおすすめします。
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